1666年に万有引力で有名なニュートンが、白色光(「可視光線 Visible light」)をプリズムで屈折させ7色に分かれることを発見し、各色帯をスペクトル
Spectrumと呼ぶことを提唱しました。さらに7色のスペクトルを合わせると再び元の白色光に戻ることを立証したことに始まります。
可視光線
主な特徴
- 目に見える
- 視力を生じる
- 可視光線の波長は400~800nm(ナノメーター) 1nmは10億分の1m
- 波長の短い方から順に紫・藍・青・緑・黄・橙・赤色の光
- 内分泌系・神経系を調整する
- 消炎・鎮痛・硬結吸収作用
- 皮膚の再生促進
- メラトニンの合成と分泌の抑制
- 熱作用と化学作用(胆汁色素のビリルビンの無毒化など)
- 植物の光合成に関与
産婦人科での光線治療
新生児重症黄疸(高ビリルビン血症)の光治療
色を治療手段として用いることは、現代の医療にも利用されています。
アメリカの大病院の産婦人科病棟では新生児重症黄疸(高ビリルビン血症)の治療に450nmの青色光を用いています。
早期新生児の60%以上に見られるこの病気は、ビリルビンという黄色い化学物質が皮膚や体の組織に蓄積した挙句皮膚が黄色く変わります。放置しておくと脳障害を起こしたり死に至ることもあります。新生児が自力でこの毒素を取り除くことは難しいのですが、光でなら簡単に除去することができます。光が体に難なく排除させるのです。
日光と新生児黄疸の関連はもともと1950年代から注目され、1968年にバーモント大学のジェラルド・ルーシー博士が臨床的に確かめました。彼は新生児にフルスペクトルの光か青い光のいずれかを数日間あてると、ビリルビンが安全なレベルまで低下することを発見しました。
黄疸の光治療が発見される前は「交換輸血」という危険な治療が行われていました。今日では強い青色の光で治療するのが一般的ですが日光とフルスペクトル(日光とほぼ同様の人工光)の両方がよく効くとこれまでに確かめられています。